第5回ソウルウルトラマラソン 優勝!
●はじまりは「にちなんおろち」
2004年10月31日(日)韓国で行なわれたソウル・ウルトラマラソン100kmに初出場、8時間12分17秒の大会新記録で優勝を飾ることができました。
(※写真1)
ソウル100kmへのチャレンジ、それは6月に鳥取県で行なわれた「にちなんおろちマラソン」での100km初完走が始まりでした。フルマラソンのためのトレーニングとして春から夏まではロング走に重点を置く私。一度ぐらいは100kmを走ってみたいと思って挑戦したところ8時間34分18秒で優勝してしまったのです。
標高900mの峠越えをはじめとする難コースだっただけに「フラットなコースなら30分は短縮できるよ」なんていうこの世界の先輩方の声。同じ6月に行なわれたサロマ100kmでの仲間たちの快走。
う〜ん、これはソウル100kmへのご招待を受けて8時間切りにチャレンジするしかない!!
・・・そうなんです。今回のソウル行きは「にちなん」優勝のご褒美としてご招待頂いたのでした。日南町ならびにソウルマラソン協会の皆さま、大変お世話になりました。深く感謝申し上げます。
●フラットなコースでサブエイトを狙うも・・・
午前5時、真っ暗な中をスタート。
ソウル市の中心を流れる漢江(ハンガン)に沿った全くフラットな往復コースを走ります。
漢江は全長514kmの大河で、私たちが走ったあたりでも川幅は優に1000mを超える壮大な眺めでした。河川公園のサイクリングロードも実によく整備されていてとても気持ちよく走ることができます。
参加ランナーは500〜600名でしょうか。日本からの参加は30名程度ですが、ナンバーカードに日の丸マーク、名前も大きく漢字で書かれていて、私たちが通ると沿道の方も「ガンバレ〜!」と日本語で応援してくださいます。
私はこの夏、月間800〜900km、まずまずのトレーニングをこなしてきました。なんたって目標はズバリ8時間切り。最後の1週間にヘタなスピード練習でアキレス腱あたりに痛みが出たのと、仕事が忙しくて睡眠不足をかかえたままソウル入りしたことだけが不安材料です。
しかしストレスなく走れるコース、気温と湿度の適度な低さに助けられ、前半は快調に推移。
フルの通過は3時間16分・・・惜しい、国際女子資格にあと1分やん!
50kmは3時間50分・・・おおっ、10分の貯金。これを切り崩しながらでも後半はOKやな〜。
63kmの折り返しで前を行く男性ランナーが見えてくるとさらに元気が出て追い抜きます。人間ってヤですよね〜、人の不幸をパワーにするんですから(笑)。
そのバチが当たったのでしょうか、ついに75kmから「貯金の切り崩し」が始まりました。ここへ来てじわじわと陽射しも強くなってきます。ウェストポーチにどっさり携帯していたカーボショッツも85kmで食べ尽くしました。
でも。
1秒でもいいから8時間を切る!そしてもう2度と100kmなんかやるもんか。必死の思いでペースアップ、前半は5km22分台のラップさえ楽に刻んでいたのに、この時点ではキロ5分がとてつもなくつらい。90km通過、残り10kmを52分・・・実に微妙な状況です。
そして95km手前、ついに脚が止まりました。
●命の恩人・韓流イケメンのチャン様
女子トップの私をずっと先導してくれていた自転車のスタッフがいました。サングラスとバンダナ、日焼けしたサイクリストはヨン様とはタイプがちがうけど結構オトコマエみたいです(後で聞いたお名前はチャンさん)。
業務に徹して少し私と距離を置きながら走路を確保してくれていたのですが、ペースががっくり落ちてとうとう歩き始めた私に初めて「サトウサン、ダイジョウブデスカ?」と声をかけてくれました。200m先にエイドがあり、そこからゴールまで4kmだと教えてくれました。
エイドに着くとスタッフに指示して私に水とスポーツドリンクとチョコレート(お腹が空いたら○ニッカーズ!)を食べさせました。後で聞くと彼は携帯電話で大会本部に「彼女はエイドの物をほとんど食べていない。低血糖でふらついて危険な状態だ」とか報告していたそうです。
確かにこのエイドのチョコレートで生き返りました。「カムサハムニダ!」スタッフに握手をしてエイドを後にします。でも一旦走る動作をやめた脚はパンパン、とても走れない。せめて競歩のつもりで肘を曲げて腕をふり、先を急ぎました。
しかしね〜、これが気持ちいいんですよ。ここは天国の入口かと思いました。いつの間にか目を閉じてフラフラっと蛇行して膝がガクンと崩れそうに・・・
「サトウサン!!」
チャンさんの大きな声でハッと我に帰ったのはその時でした。アカンアカン、歩いてたら死にはせんけど寝てしまう、ゴールできへん!
「OK, I can go. I'll run again.」
一歩ごとの激痛が覚醒に作用し、最後の3kmを私は全力で走って、大会新記録、男性をいれても今日3番目のゴールに飛び込んだのでした。
(写真2)
●課題はエネルギー対策
8時間を切れたら100kmは卒業しようと、レース中は本気で思いました。でも12分17秒の宿題が残ってしまった。悔しいです。
ゴール後、思わず抱きついてお礼を言ったチャンさんには「カーボショッツだけではダメだよ」と言われました。う〜ん、でもこのペースで走るにはエイドの食べ物を当てにできないしなぁ。実際、今回もエイドでの「滞在時間」は数十秒です。
だから私はゆっくり見てませんが、エイドには水・スポーツドリンク・コーラのほかに各種のジュース(どれも薄めていないので結構甘かった)、パン、もち、バナナ、あわびの入ったお粥、キムチもあったそうです。それからスタート前の会場ではナント大鍋で「湯豆腐」がふるまわれていました。
(写真3)
まあ私の場合はやはりレース中のカーボショッツも十分に持つべきでした。またレース前のカーボローディングを真剣に取り組むべきでした。さらに言うなら前夜と当日朝の食事も反省すべし。
スタート後すぐにお腹が張ってしまって苦しくなり、トイレも見当たらず、「これは暗いうちでなきゃダメだ!」とコースアウトして草むらに突入・・・ゴメンナサイ。
●結構オトクかも
ソウルでは10月のウルトラ100kmの他に3月には1万二千人参加のソウル国際市民マラソンもあり、いずれも主催のソウルマラソン協会が日本からの参加者を大変歓迎してくれます。今回もアシアナ航空や教育文化会館(ユースホステルみたいなとこかと思ってたら一流のホテルでした!)の費用など随分サービスがあった模様。関空から1時間ちょっとだし国内のウルトラと同じ感覚で参加できそうです。
(写真4)
100kmの参加費は14000円、63kmの部もあって10000円。前夜祭は歌ありダンスあり民族芸能ありのステージの後、ボリュームたっぷりのカーボパーティーでした。でもステージ長かったな〜。屋外で観覧席の椅子も冷たいし、座布団か毛布があればGOOD。参加記念Tシャツは薄手のロングスリーブでレースに使えるよい素材でした。ゴール後に頂いた立派すぎる完走盾とメダル、優勝賞品かと間違えるほどでしたよ。
(写真5)(写真6)
そして今回初めて私は「賞金」なるものをゲット。女子優勝は5万円でした。副賞にN社のシューズとナント!ポラール心拍計を頂いちゃいました〜(笑)。しかしこれまた立派すぎる優勝杯はガラスケースに入っていて日本に持ち帰るのが大変でした。
●アンニョンハセヨ〜
「ヨボセヨ〜、チョヌン キシモト ニダ(もしもし、こちらは岸本です)」
子供の頃、毎日のように聞いた言葉が耳に残っています。去年亡くなった父は韓国に繊維機械を輸出していました。ブームになる随分前から家ではタクアンよりもキムチが食卓に上っていました。私自身は今回初めてのソウル、父の生前に韓国のことを少しでも教わっておけばよかったなぁ。
食事は美味しいものをたくさん戴きましたよ〜。月並みですがプルコギや石焼ピビンパ、ソルロンタンなど最高でした。特徴的なのは付け合せの副菜の種類と量の多いこと!メインディッシュが出る前にこれだけでビール2杯ぐらい飲めそうです。野菜もふんだんに使っていました。
レース翌日には韓国民族村を見物しました。古い時代の家屋などが見られるのですが、実際に馬や牛や鶏を飼い畑に作物を植えて、昔の暮らしを営みながらの展示でしたから、ありがちな「嘘っぽさ」がなく、本当に昔の人はこうしていたんだなと感じられました。村の広場で農楽、飛び板・綱渡り、伝統的な結婚式などのショーも見せてもらいました。
(写真7)(写真8)
通過はウォン。およそ10万ウォンが一万円です。でも何だか10万ウォン持ってるとお金持ちになったように錯覚するよね〜。空港なんかでは日本円でも使えましたよ。
で、帰国の日は空港の焼肉レストランで食事して日本円も交えて精算したりして、さあ搭乗ゲートに行こうとすると・・・セキュリティー検査に長〜蛇の列!靴まで脱いで検査してました。やっと出国審査がすむ頃にはすでに出発予定時刻。初めて「○○便にお乗りの佐藤様〜」と呼び出されてしまいました。「スミマセ〜ン」と恐縮しながら飛行機に乗り込んだのでした(汗)。
ランナーたるもの、いつも心と行動に余裕を持ちましょうね〜 。
っと反省で終わった韓国ツアーでした。
●ソウルウルトラマラソン情報
・・・実はプログラムも公式サイトも翌日の新聞報道もなくて、詳しいことはあまりわかりません。
2004年10月31日開催。当日の気温は10℃〜23℃(例年は7〜11℃)。
午前5時スタート、制限時間は100kmの部14時間、63.3kmの部8時間。
距離表示は5km毎、エイドは2.5km毎、トイレは十分にあり。
エントリー費100kmの部14000円、63.3kmの部10000円。
参加賞はロングTシャツ、完走盾、メダル。
100kmの部男子優勝は韓国選手、7時間後半か?
女子優勝は佐藤光子、8時間12分17秒。2位以下は韓国選手9時間以上か。
2005年3月6日にはソウル国際市民マラソン(フル・ハーフ・10K・5K)が開催されます。
ソウルマラソン協会 marathon@kornet.net
今回日本からのツアーを催行したのは海外旅行開発(株) http://www.otpi.co.jp/
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